事の始まりはあくる年の卒業間近の2月末。まだ寒い日が続いていたが私の心は浮かれていた。論文発表を終え、あとは正式に論文が受理されるのを待つだけであった。その週末は父の還暦祝いをするため、妹が東京から帰省していた。そんな幸せな日曜日に、珍しく教授から一通のメールが届いた。
ーーーお話しがあるので、月曜日にオフィスまで来ていただけませんか?
なんだか嫌な予感がして、一瞬にして私の心は曇った。
私の顔色を見た妹が心配そうにいう

どうしたの?大丈夫?
教授からきたメールを見せると

大事な話なら要件をメールで言うんじゃない?大丈夫でしょ!
それでも私の胸騒ぎしながらは憂鬱な週末を過ごした。
気晴らしに書店に行くと、ふと、”心配事の9割は起こらない”というタイトルが目に入ってきた。その隣で、同じタイトルを見た妹がこういう

ほらー!お姉ちゃん見て!9割は起こらないんだよ!心配するだけ無駄無駄!明るくいこうよ!
論文審査会の前にも、他の先生方からは

審査会まで来たら、落ちることはアリエマセ~ン!形式的なものだから、リラックスして審査会には臨んでクダサ~イ!
とアドバイスを頂いていたので、私はまあ、、心配しすぎかな・・・・大丈夫か。と考え直した。

そんなこんなで憂鬱な月曜日を迎えた。
大学へ向かう間、嫌な予感はぬぐい切れなかったが、とりあえず気持ちだけは上げていこう。

♪未来はそんな悪くないよ、ツキを呼ぶには笑顔を見せること~♪
”恋するフォーチュンクッキー”を聞きながら、私は
そうだ!今日は先生に何を言われても笑顔で過ごそう!

と心に決めた。大きく息を吸い込んで、いざ教授のオフィスへ向かった。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
続きのSTORYはこちら▶悲劇の始まり(2)
これからもよろしくお願いします♡